

自律神経失調症の基礎知識を紹介します
自律神経失調症を治すのは、自分自身
自律神経失調症が一般に広く知られるようになったとはいえ、それがどのような病気なのか、自律神経自体がどのような働きをする神経なのかも知らずに、ストレス病の1つのように考えている人が少なくないようです。自律神経失調症は、全身におよぶ多種多様な症状をもち、いろいろな種類があって、専門医でも見分けるのが困難な病気です。治療に時間がかかり、再発も少なくありません。しかも、医師の指示に従い、薬を飲んで安静にしていれば完治するというものではなく、ときには自分自身のあり方を見直す治療が必要になります。検査で異常が見つからないのならそのうちに治るなどと、自律神経失調症を軽く考えるのは危険です。つらい症状で苦しむのも、治そうとするのも患者さん自身だということを忘れないことが大切です。そして、何が原因で自律神経失調症になったのか、自分自身のあり方、性格、取り巻く環境、人間関係といった問題に目を向けて、積極的に治療に取り組んでいく事が重要になります。このサイトでは、自律神経失調症の基礎的な知識から診察、治療に関することをわかりやすく紹介していきます。
自律神経失調症とは
不定愁訴を総称して便宜上使われた病名

症状が多く検査では正確な診断が困難

精神的な症状を伴うやっかいな現代病

自律神経失調症の4つの種類
自律神経失調症には、大きく分けて4つのタイプがあります。
本態性型自律神経失調症
生まれつき自律神経の調整機能が乱れやすい体質の人、低血圧や虚弱体質、または立ちくらみをしやすい人などに見られるタイプです。体力に自信のない人も、自律神経に変調をきたすことが多いといえます。
神経症型自律神経失調症
心理的な要因によって自律神経の機能に不調をきたし、不定愁訴の症状があらわれるタイプです。自分のからだの変調に敏感で、気にする人に多く見られます。神経症との境界線が曖昧ですが、身体的な所見が強く見られる場合にあてはまります。
心身症型自律神経失調症
自律神経失調症の約半数がこのタイプです。日常生活のストレスが原因のため、症状のあらわれ方も程度もさまざまです。喜怒哀楽の感情や疲労などのストレスを無理に抑えることにより、自律神経に変調をきたします。
抑うつ型自律神経失調症
ストレスが慢性的に蓄積して、うつ状態の反応をきたすと、頭痛、腹痛、不眠、食欲不振などの身体症状もあらわれます。抑うつ気分が、これらの症状に隠れて発見されにくいと、うつに対する適切な治療がなされないことになります。性格的にうつ状態になりやすいのは、凡帳面、完全主義、執着心が強い、気分が沈みやすい、などの傾向のある人などです。
